SEOにおけるキーワードカニバリゼーション(共食い)というのは、同一ページで同じキーワードで検索順位が検索エンジンがどのページをランキングに掲載すればよいか解らずに混乱し、複数ページが検索結果に表示される状態を言います。
一般的にはSEOにおいて「悪い事」「ネガティブ」な印象を持って使われることが多いようです。
またキーワードのカニバリゼーションが議題に上がるのは20位圏内など上位表示の場合であることが多いです。
カニバリゼーションという言葉の意味
本来は人食いや共食いの意味でつかわれる言葉ですが、マーケティング用語だと事業やブランド拡張において、自社でシェアを食い合う状態の事です。
このように自社製品で起こる競合関係の状態の事を指します。
SEOにおけるキーワードのカニバリ(共食い)の原因
話をSEOにおけるキーワードのカニバリに戻します。
あるキーワードで検索した際に上位表示させたいページを検索エンジンが判断するのですが、どのページが検索意図の「アンサー」になっているのか判断できずに1つの検索キーワードで同一サイトなのに複数のページがインデックスされた状態となります。
この現象は別にサイトの品質が悪いから起こる、または重複コンテンツだから起こると決めつけてはいけません。
確かにサイト設計の欠陥である可能性もあるのですが、実は品質の高いサイトほどよくキーワードのカニバリが発生するのです。
キーワードのカニバリゼーションについてポジティブな面とネガティブな面を紹介します。
キーワードのカニバリゼーションをポジティブに捉えると
キーワードのカニバリゼーションをポジティブに捉えると、本来1ワードで検索結果に1ページだけしか掲載されないのに、2つ、3つと掲載されるので、キーワードや検索クエリの性質によってはアクセス数が増大するケースもあります。
1位に1ページ
か
2位と3位に2ページ
また、キーワードのカニバリゼーションを意図的に起こそうとするよりも、後述するカニバリ解消方法のほうがより確実で簡単です。
つまり、カニバリゼーションが起こることは不確実ですが、直すことは比較的容易ということです。

まとめると単純に考えて検索結果ページに自分のサイトが複数あったらいいよね?ということです
キーワードのカニバリゼーションをネガティブに捉えると
基本的な傾向としてはカニバリゼーションで複数ランクインしていると、最も高順位のページでも「順位を落とす」傾向が強いです。
例えば、
カニバリ有
1位:他社サイト
2位:自サイト
3位:自サイト
これをカニバリ無にしたとすると
1位:自サイト
2位:他社サイト
といったケースがあります。
また、アクセス数よりもブランド強化や信頼性アップのために1位を取る必要があると言ったケースも考えられます。
具体的な解決方法の提案
100%全てのケースで修正すると良化するわけでは無いですが、多くの場合はネガティブな要因になるので対策を考える必要があります。
301リダイレクト
これが最も確実な方法です。
統合して残したいほうのURLへ向けて301リダイレクトします。
重複コンテンツではないのにカニバリゼーションの扱いを受けている場合は、コンテンツも統合する形で1つにまとめます。
逆に自他ともに認めるような重複コンテンツになっている場合は、さっぱり片方を切り捨てて、残すべきURLへリダイレクトの設定を行います。
内部リンク
最も安全性が高く、ユーザーにもメリットがある方法として「内部リンクで調整」という方法があります。
リンクを送るということはSEO価値の転送になる行為なので、残すべきURLのほうにリンクを送ったり、それ以外の関連ページからの内部リンクを増やします。
内部リンクはSEOに効果がありますが、絶対的にカニバリゼーションが解消出来るかというとそうではないので、最も理想的なやり方として留めておいてください。
タイトルタグ修正
一番お手軽なカニバリゼーションの対策としてタイトルタグの変更です。
コンテンツが検索順位に50%影響を及ぼすとしたら、残りの50%はタイトルタグでの影響があります。
それくらい重要なタイトルタグをキーワードをずらす感じで変更します。
しかしここで気を付けてほしいのはカニバリゼーションを解決したいあまり、実態(実際のコンテンツ)に見合わないようなタイトル付けは絶対NGです。
さらに、少しでもタイトルを変更したら少しでもいいので本文も修正することが望ましいです。
自然に治るのを待つ
案外これもおすすめです。
「放置」
です。
時間が経過すると評価も定まることがあるので、下手に手を入れないで放置しても良いと思います。
重複コンテンツとカニバリは似ているようで異なる
重複コンテンツはコピペのように80%以上似ているページが存在していることです。
ほとんどの場合はネガティブなことでSEOにプラスの影響はありません。
一方、カニバリゼーションの状況はユーザーに検索意図に最適なアンサーがコレも、こっちも!と複数ページで存在している状況で、評価を落とす原因にはなりません。それどころか検索意図のアンサーを複数用意していることで評価される可能性もあります。
(カニバリゼーションを人工的に発生させるなんてことはお勧めしません!)
カニバリゼーションを見つけたら僕はこうする!
自分のサイトでカニバリゼーションの現象を発見したら、ひとまず調査から入ります。
1.良性か悪性か判断する
良性とは、アクセス数に影響が無いか、むしろ増えている状況で
悪性とは、アクセス数が減るかブランド価値に損傷を与える場合と勝手に決めて考えています。
2.まずはコンテンツで修復できないかやってみる
いきなり301リダイレクトで片方のページを消そうとは考えません。
まず最初に行うことは、タイトルの修正やコンテンツのリライトです。
Googleがもっと評価を別々で出来るよう考えてリライトします。
3.最終手段のリダイレクトを用いるか検討する
ここまで来てカニバリゼーションの評価が修復されないようなら301リダイレクトで一方を消滅させるか検討しますが、僕の場合、重複の疑いなどよほどの理由がない限りやらない手段です。
具体的に言うと
例えば
13位・14位・15位でカニバリ起こしていたら10位圏内ランクインするために対処します。
ですが、
2位・3位となっていたらキーワード次第ですが、2つランクインしているほうがメリットが多いと判断する場合もあります。
まとめると
キーワードの共食い、カニバリは今のところ、そもそもから評価されているサイトを中心に起こるようなので、
- カニバリは必ずしも悪ではない
- 重複コンテンツじゃないかをよく確認する
- 評価を一つにまとめるメリットは大きいか
ということをよく検討してから対処するのが良いと思います。
対処の仕方自体は割と簡単です。
主にWebメディア運営やSEOコンサルティングの活動を行っています。札幌在住のフリーランス。その他の活動:オウンドメディア立ち上げ/コンテンツ制作/プロジェクトマネジメント/Webデザイン/LP制作
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