競合サイトの調査は3C分析の一つでもあり、新規サイト企画時や運営中にライバルの状態を調べるために行います。
競合サイトより絶対に勝っているコンテンツなのに…とお悩みの場合、「ドメインパワー」という観点で負けており、検索順位で抜けないのかもしれません。
昨今のSEOではいくらコンテンツの品質重視とは言っても、ドメインパワーで大きな差をつけられていれば勝てないことも少なくありません。
競合分析にはMajesticSEOやMOZなど被リンク・ドメイン分析ツールを中心に有名なのがいくつかありますが、今回はahrefs(エイチレフス)を使用した競合分析の手法を解説していきます。
競合調査の目的
競合調査はahrefs(エイチレフス)を利用してライバルサイトの被リンク状況などをチェックして行っていくのですが、まずは競合調査をする目的を明確にしておきましょう。
どうしても勝てない競合サイトを分析するため
コンテンツでは明確に勝っているのに検索順位であのサイトが抜けない…という経験はSEOerなら一度や二度経験があることでしょう。
検索順位はGoogleのアルゴリズムに基づいているので例外はあるものの多くの場合、勝てない要因はあるはずです。
そんな時は以下の要因をチェックしてみてください。
内部要因(内部SEO・コンテンツSEO)
- コンテンツをまず見直す
- ページ数
- 文字数
- 離脱率や滞在時間
外部要因(外部SEO・リンクSEO)
- ドメインエイジ
- ページ数
まずコンテンツを必ず見直してください。
勝つためにページ数が必要な戦場もあれば、文字数で殴り合うような局面もあります。
このコラムでは主に外部要因である「ドメインパワー」の差について解説するのでコンテンツに関しては深くは語りません。
ただ言えるのはサジェスト網羅しているからと言って負けない根拠にはならないことと、勝てないライバルサイトのコンテンツをじっくり見ることです。
コンテンツはテキストだけじゃありませんよ?
それでも勝てないと思ったら、外部要因を疑うことです。
被リンクのSEO効果は薄れてきていると言われていますが、人気投票に近い概念の被リンクは大小はあれどSEO効果は健在です。
そしてこの被リンクは「ドメインパワー」を形成していきます。
また、被リンクがあまり評価されてないキーワードやクエリであっても、ドメインエイジ(運用期間)はやはり検索順位に影響します。
では、「ドメインパワー」がある状態というのはどんな状態なのかも解説します。
ドメインパワーがあるということ
ドメインパワーとは正確には誰かが定義しているわけではないですが、検索エンジンから評価・信頼を得ているドメイン名もしくはURLのことを指します。
ドメインパワーがある状態になったサイトは新コンテンツを追加しても検索順位はすぐに安定し、それもなかなか高い状態から開始されますので、ウェブサイトでアクセスを集めるには最高の状態と言えます。
では、ドメインパワーを可視化するにはどうすればよいのかと言えば、ここでようやく本題のahrefs(エイチレフス)の出番です。
ahrefsで競合サイトの被リンク分析を行う具体的な方法
簡単に言ってしまえば被リンク参照元サイトの数と質の分析になります。
質のほうがSEO上重要ですが、この「質」というのが個人の価値観も混ざってくる極めてあいまいな個所です。
被リンクの数
被リンクの数は被リンクの質に比べて「数値」で見えるものなので単純です。
ahrefsを使っても一目瞭然です。
ahrefsで調べたいドメイン名やURLを入力すると被リンクの総数と参照元ドメイン数が出てきます。
被リンクの品質のことを度外視すると少ないよりは多いほうがよく、とりわけ参照元ドメイン数が多いと、それだけたくさんのサイトからシェアされているページということで検索エンジンからの評価は上がります。
ただ「品質は度外視」という話なのでご注意ください。
被リンクの品質を調査する方法
はじめに言っておきます。
ツールで自動で…という調査方法で正確なものは存在しないと考えています。
やはり、目視でチェックすることも必要になってきます。
ahrefsでは以下のように参照元情報が表示されます。
目視で参照元サイトをチェックする際に注視してほしい個所
- 関連サイトからのリンクか?
- 同じ言語の参照元サイトか?
- 有名なサイトからのリンクはあるか(wiipedia、教育機関、政府機関など)
- ドメインの分散率(自然に分散しているほど良い)
- IPの分散率(自然に分散しているほど良い)
- 自演リンクではなく自然リンクかどうか?
- アンカーテキストはSEOで大事なワードに関連しているか?
などです。
自演リンクの有無は見る人が見ればサテライトサイトなど一発で見抜けますが、数ページしかない内容が粗悪なサイトです。
サテライトかどうか見抜けなくても雑なテキストと少ないページ数だった場合は自演リンクとみなして問題ないでしょう。
そのような粗悪な参照元ばかりだった場合はそのサイトの査定評価を落としてしまって構いません。
被リンクのSEO効果は健在とは言いましたが、自作自演のサテライトサイトは自らの首を絞めるハイリスクローリターンの施策なのでそのような粗悪なサテライトサイトを競合サイトで見かけたらラッキーくらいに思って大丈夫です。
自サイトも焦って自演リンクなど貼る必要は全くありません。
ただし、SEOのプロが中古ドメインを当ててサテライトをがっちり当ててきてる場合の評価は難しいところです。
また最近ではサテライトでがっつり評価を落としたSEO業者が超高品質なサテライトサイト(粗悪ではない)を用意してきている場合もあるので評価は難しいところです。
サテライトサイトを見抜けない人は、基本的にサイトの良し悪しで各被リンクの評価を下していって構いません。
かなーり感覚的な話になってしまったので、もう少しデータで被リンクを見ていきましょう。
ahrefsのドメインレーティング(DR)を見る
参照元サイトを目視す被リンク査定は重要なのですが、個人の裁量で大きく評価が分かれてしまうのでDR(ドメインレーティング)というahrefs独自のスコアを見ていく方法もあります。
ahrefsが被リンクなどを独自査定してつけたランクですが、目視出来ない人はこのDRの数値に頼ってしまったほうが、場合によっては正確な被リンク調査が出来ます。
ただドメインパワーを調べるという観点では、ahrefsのDRより、MajesticSEOのトラストフロー(TF)のほうがよりドメインパワーを表現しているように感じます。
かつてのGoogleページランクの代替になるサードパーティー製のスコアなど存在しませんが、一番近いものを一つ上げるとすればやはりMajesticのトラストフローでしょう。
トラストフローについてはコチラの記事が詳しく書かれているので読んでみてください。
ドメインパワーを目視せずにスコアに頼ることは推奨できませんが、SEOへの知見が無いならMajesticのトラストフローを見ると良いでしょう。
ドメインパワーで順位が決まるわけではない
ドメインパワーや被リンクが検索順位に大きく影響していた時代は過ぎ去りました。
外部要因をhrefsで分析する方法について解説していますが、外部要因を見てほしいのはあくまでコンテンツでもうどうしようもないライバルがいるときです。
コンテンツは勝ったつもりでいても実際はサジェスト網羅しかしていなかったり、単純に面白くなかったり、ユーザーが望む答えを書いていないことが当てない要因の多くを占めます。
ドメインパワーや被リンクだけの外部要因だけで検索エンジンの順位を操作しようなどと時代遅れの発想はさっさと捨てて、根気強くライバルに迫ることが大事です。
検索順位で競合サイトで勝つには、コンテンツの質や被リンク以外にも、ドメインの年齢やユーザーの反応、それに少しの運も必要であることを忘れないでSEOに取り組むようにしてください。
主にWebメディア運営やSEOコンサルティングの活動を行っています。札幌在住のフリーランス。その他の活動:オウンドメディア立ち上げ/コンテンツ制作/プロジェクトマネジメント/Webデザイン/LP制作
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