3C分析を行う際、そのやり方は10人いれば10通りの方法があるといっても過言ではありません。
ライバルサイトと自サイトの良し悪しを比較する際、「ドメインの状態」をある程度数値化して比較することで客観的なサイト分析や改善点が見つかることもあります。
自分だけの価値観やセンスだけで分析を進めていくとライバルをSEOで追い抜くための方法を見失ってしまうことがあります。
今回はMajestic SEOというツールを使用して客観的にドメインパワーを調べる方法を紹介します。
また、中古ドメインの目利きにどう活かしていくか、具体的な数値も書いてみました。
TF(トラストフロー)/CF(サイテーションフロー)を見てみる
トラストフローとサイテーションフローを見てみましょう。
まずは、この時点では深く考えずスコアの値を見てみましょう。
Majestic SEOのSite Explorerでドメイン名を入力します。
この際、注意したいのが調べたいURLを正しく入力することです。
正しく とは?
- httpなのかhttpsなのか
- wwwの有り無し、その他サブドメインの有り無し
- 下層ページなら仮想ディレクトリも正しく入力
ドメイン名だけでも調査すること自体は可能ですが、調べたいURLまで正しく入力することでより正確な調査が出来ます。
example.netとブラウザに打ち込んでもwww.example.netにリダイレクトされるので同じと勘違いする人もいますが、Majesticでは別のURLと考えます。
これは同一のドメイン名で別のURLであっても獲得した被リンクの大小や品質を見ているためです。
前置きが長くなりましたが、トラストフローとサイテーションフローが表示されてますね。
トラストフローとサイテーションフローが表示されました。
トラストフローは主に被リンクの質などを評価した指標、サイテーションフローはリンクの数などを評価した指標で、どちらも0-100までの点数で評価されます。
トラストフローとサイテーションフローのバランスが重要だという教えが多いですが、実際はよいドメインであってもそれなりに開きが出ますので、神経質にバランスを気にしないでいいでしょう。
トラストフローは中古ドメイン業界でも重要な指標
トラストフローとサイテーションフローは併用して評価される指標ですが、経験上トラストフローに重点を置いてみていくことで検索順位との相関性が高いです。
Googleページランクに代わる指標とまでは言えませんが、何か点数化してはっきり判定してくれる指標が欲しいときはトラストフローを推奨します。
TFの目安
トラストフローが低くても上位表示のサイトなどいくらでもあるので、過信しすぎないであくまでも僕が見てきた範囲で目安を書いてみます。
また、中古ドメイン市場だとどのくらいの評価になるのかも書いてみます。
もちろん、トラストフロー以外の評価基準も多くあるので、あくまでも目安です。
トラストフロー0-5
新規ドメインであれば普通は0からスタートなので、TF~5くらいまでは、ドメインパワーはほぼ無いと判断できます。
逆にこのくらいのトラストフローなのにもかかわらず、サイテーションフローが30などと高いスコアであった場合、不自然なスパム行為でないかと疑う場合もあります。
新規ドメインからじっくり育てた場合、TF0-5、CF20~などとアンバランスな感じになりやすいです。
中古ドメイン市場では、このクラスはあまり出回らないもしくは人気が無いと思います。
トラストフロー5-10
トラストフローが5を超えてくるなら、被リンクがついている場合が多く、運用履歴も少しは長いものが含まれてきます。
SEO目的で取引される中古ドメインのレベルでは最低限のクラスになってくるでしょう。
このクラスの中古ドメインを取得したい方は、良質と悪質が混在、もしくは悪質な場合のほうが多いくらいなクラスになるので中古ドメインの目利きスキルが重要になってきます。
トラストフロー10-20
トラストフローが10を超えてくると、ある程度トラストフローだけ見てドメインのパワーを見ても外れてしまう可能性は減ってきます。
ただ、スパムでもここまで上がってくる場合も多いので過信は禁物です。
トラストフロー20-30
トラストフローが20も超えてくると中古ドメインのSEO価値が評価されてそれなりの価格で取引されることもあります。
TFだけを見る、という前提の話なら 20を超えてくると、それなりに良質なドメインが多くなってきます。
トラストフロー30~
トラストフローが30以上でサイテーションフローも同等くらいであれば、かなり良質なドメインと判断できます。
このクラスになると、過去の運用サイトがそこそこ有名なサイトだったりもしてくる場合があり、ドメインの文字列も優秀な場合もあります。
中古ドメインとしては高額(おそらく3万円以上)で取引されるでしょう。
ただし、このクラスでもTF/CFだけを過信してしまうことはお勧めできませんので、必ず他の部分も評価しましょう。
ライバルサイトより頑張っているのに…
ライバルサイトよりも明らかにコンテンツを充実させているのに、
運用期間もそれなりに長いのに、
被リンクも獲得しているのに、
文字数も多いのに、
インデックスボリュームも多いのに、
などと、どうして勝つことが出来ないのかわからない際も、自サイトとライバルサイトのトラストフローを見比べてみると良いかもしれません。
単にトラストフローの点数の大小だけでSEOの勝敗はつきませんが、客観的に数値化してスコアを出してくれるので競合比較の際には使える指標であるといえます。
大小だけを見るのではなく、要因まで見てみることも重要です。
トラストフローで負けていたなら、真っ先に疑うべきは被リンクです。
不自然な人為的なリンクがついてないか、
リンクが足りなすぎではないか、
同一ドメインだけから大量にリンクされていないか、
など、被リンクの質を評価してください。
そんなこと言われても被リンクの質の評価方法がわからないという方へ
Majesticでは参照元の被リンクページのトラストフローも見てみれば、はっきりとした基準でリンク評価をすることも可能になります。
もちろん、参照元サイトにアクセスしてみるなど、目視を全く行わないというのは推奨できませんが、膨大な被リンクがあっても数値を見て、悪質なものを見つけるということも可能です。
悪質なものを見つけたら、サーチコンソールでリンク否認することも忘れずに。
数あるツールの独自スコアでも信頼できるTF!
トラストフローのまとめになりますが、ドメインパワーを測る際、膨大なドメインのすべてをじっくり査定することは困難だと思います。
そんな中、ahrefsやMOZなど、さまざまなツールを利用するわけですが、実際どれがいいかわからないと思います。
僕は被リンクを正確に調べたいなら「ahrefs」
スコアの中でも最も優秀なトラストフローが見たければMajestic
と紹介するようにしており、一概にどっちが優れているとは言えません。
また、併せて無料のインターネットアーカイブのウェイバックマシーン等も使用するとドメインパワー測定の精度が増していくことでしょう。
主にWebメディア運営やSEOコンサルティングの活動を行っています。札幌在住のフリーランス。その他の活動:オウンドメディア立ち上げ/コンテンツ制作/プロジェクトマネジメント/Webデザイン/LP制作
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