自分が愛着を持って育ててきたサイトやブログの順位が落ちたらすごく悲しいし、焦ってしまいますよね。
でも、焦って自演リンクを設置してみたり、キーワードを詰め込んだだけのリライトを施しても経験上状況を悪化させる場合が多いです。
自分のサイトの検索順位が落ちた際はサイトの設計を見直すべき良いタイミングであり、今のサイトよりも格段に成長できる最良のタイミングだと考えて落ち着いて対応してください。
検索順位が下がった要因の仮説を立てる
いきなりリンク設置!
いきなりリライト!
はやめておいたほうが無難です。
焦る気持ちもわかるし、リカバリのスピード感もある程度は持っておくべきです。
しかし、考えない無しに行った小手先だけのSEO対策は経験上失敗して最悪の場合は二次被害を生みます。
ラッキーでうまくいっても、本質が改善されてないからすぐライバルに追い付かれる未来が待っています。
ではどうすればよいのか。
まず、順位が変動した要因の仮説を立てます。
- 自分のサイトの評価が落とされた
- 競合サイトの評価が上がった
- ドメインパワーを持ったページの参入
- Googleのアルゴリズム変動
主にこれらの要因に分類できるので、見極めるポイントを解説していきます。
1.自分のサイトの評価が落とされた
これは改善の方法も原因も明確でわかりやすいです。
簡単に言えば、「最近なんかした?」ですね。
サーチコンソールに登録しているサイトであればペナルティはもちろん何らかのメッセージが来てないか必ず確認します。
放置型のサイトで何も覚えがない場合でも外部リンクの様子をahrefsやMajestic、MOZあたりを利用してチェックしてください。
関係ない国からのリンクやスパムリンクが増加してないかを見てください。
最近記事を追加したという場合はキーワードのカニバリ(共食い)が無いか確認します。
簡潔に言うとこれまでランクインしてたページの類似ページが出来てしまったことで、Googleがどのページをランクインさせて良いかわからずに複数ランクインしてしまったり、ランクインページが定まっていない不安定な状態です。
気にしなくてよいケース
サイトのURLをhttpsに変更して元のURLからリダイレクトをしているなら一時的にランキングが下降するケースはあります。
あまり気にしなくても良いというか、もう少し時間をおいて(最大2か月程度)から判断してください。
2.競合サイトの評価が上がった
これは判断がなかなか難しいです。
競合サイトの状態を日ごろからチェックする癖をつけておくべきです。
- 更新日が表示されているページであれば、更新が無かったのか?
- 強いナチュラルリンクの増加は見られないか?
- ソーシャルでバズってないか?
など、ライバルサイトの変化を徹底的に調査します。
変化が無くてもユーザーの離脱率や直帰率などのデータの蓄積があって順位が入れ替わることも当然あります。
判断は難しいですが、自サイトで思い当たるマイナス施策が無いのなら、ライバルサイトの評価が上がったという仮説を立てておいてください。
3.ドメインパワーを持ったページの参入
厄介ですね。
上場しているような企業のメディアサイトが1記事で一気に抜き去っていくケースは特にここ最近多い傾向です。
話題になったこととして小学館が「ウォーターサーバー」というキーワードでサイトをリリースさせ上位化しているなどあります。
ドメインパワーを持ったサイトがキーワードを狙ってきたらハッキリ言って自分のサイトに劣っていたとしても負けてしまう可能性はあります。
ただ、自分が本当にユーザーのためになるコンテンツを提供できているなら数か月で適正な順位に戻ることが多いです。
自分のサイトのドメインパワーを上げるためにはソーシャルやリンク対策、ページ数など多くの要因でパワーアップさせなくていけません。
忘れてはならないドメインパワーの要因としてサイトの年齢という埋められない要素もあるので悩ましいところです。
4.Googleのアルゴリズム変動
SEO対策の専門家もしくは専門知識がない状態でGoogleアルゴリズム変動せい、と決めつけるのは推奨できません。
これは要因1の「自分のサイトの評価が落とされた」もしくは2の「競合サイトの評価が上がった」に最終的には行き着くでしょうが、その引き金になったのがGoogleアルゴリズム変動です。
検索順位が上がったもしくは下がったを単にアルゴリズム変動で片づけてほしくはないですが、判断は専門家でも断定に至るのは難しいところです。
僕のアルゴリズム変動のエピソードを書いておきます。
僕のアルゴリズム変動のエピソード
例えば2018年3月ごろに施行された「健康アップデート」で実際に僕が体験したことを挙げると、パッとしない医療系のサイトをSEO対策していたのですが、健康アップデートを機にライバルサイトがほぼ全壊したことで、1位~5位をメインワードで独占はもちろん、ほとんどのサジェストワードも1位を独占するに至りました。
SEOをやってる身からすると「俺すげえ」ってなりましたが、落ち着いて分析すると単にライバルサイトが壊滅しただけとわかったのです。
順位回復の作業
仮説を立てたら、どのような作業が必要か見えてくるので実際に対応していきます。
代表的な作業内容をいくつかピックアップしてみます。
再サイト設計・ページ設計
サイト設計の見直しやページ・記事設計の見直しは正しく行えばどのような要因で下がったとしてもプラスに働きます。
SEO対策をしているランクインページの見直しに目が行ってしまいがちですが、サイト全体でこのページを押し上げるだ!という目線も必要です。
様々なことが書かれている日記の1ページと専門特化や最適なカテゴリ設計済みのサイトであれば、同等の素晴らしいコンテンツでも評価は変わってきます。
もちろん対策ページのリライトや記事設計の見直しも有効ですが、「検索意図」を読み取る事が求められます。
第三者に意見をもらう
SEOに傾倒するあまり、読者の声をおろそかにしてはなりません。
奥さんや友人、会社の同僚など身近な人に一般ユーザーとしての正直な感想をもらって反映させていくというのは馬鹿に出来ないくらい重要な施策の一つです。
Googleアナリティクスでページがユーザーに読まれているか推測するのも大事です。
落ちたサイトの順位を即時回復させるには至らないものの、検索してきたユーザーを失望させて検索エンジンに戻さないための工夫を増やしていくことが順位を下げない最大のコツです。
タイトルタグの変更
小手先系の施策になってしまいますが、タイトルタグの変更は即効性があるSEO対策です。
タイトルを変更してFetch as Googleをしてしまえば落とした検索順位を回復させることも出来る場合があります。
ただし本質的なサイト改善では無いし、ある意味検索エンジンを騙す事に近いので最低限「コンテンツ」と「タイトル」で乖離しないようにします。
可能な限り本文の記事設計も見直してリライトを施したうえでタイトルの変更をすることを強く推奨します。
順位上昇だけを狙ったキーワード詰込みのタイトル変更は諸刃の剣です。
内部リンクのチューニング
サイトのSEO的ドメインパワーを対策ページに集約させ、パワーを高める内部リンクによるSEO対策はローリスクで行えて効果もすぐ見えます。
ページ内でリンクを増やしても極端にマイナスにはならないので比較的安全ではありますが、無関係なページからの内部リンクは効果がないのでやめてください。
関連ページからの内部リンクが効果的です。
これだと曖昧な説明になってしまうので、具体的に言うと
「アクセスも流せる内部リンクのみ設置すること」です。
内部リンクを設置できるかの判断基準は関連性があってアクセスを流せるかどうかを考えて設置するようにしてください。
間違っても全ページからリンクを集約させるという愚策はしないでください。
それでも順位が回復できなかったら
ランキング下降が修正出来なかった場合、修正レベルを超えたSEO対策をします。
ただし、現在のランキング状況を見て最適なSEOを考える必要があります。
この検索順位の時はこのSEO対策の重要度が高いと思う
表にして考えた pic.twitter.com/MxhkoCyG47— KAN(SEO) (@accesskanno) 2018年6月4日
ランキング別にSEO対策の重要度が変わってくるので、見当違いなSEO対策をしないで今サイトに足りない部分をピンポイントで対策していくと最短コースで検索順位が戻ると思います。
順位が落ちたということは少なくとも以前にランキング上位だったということですので、その点は自信を持ってください。
新たに上位を狙っていくより、一度でも上位を取ったサイトを呼び戻すほうが圧倒的に現実的で成功可能性は高いです。

主にWebメディア運営やSEOコンサルティングの活動を行っています。札幌在住のフリーランス。その他の活動:オウンドメディア立ち上げ/コンテンツ制作/プロジェクトマネジメント/Webデザイン/LP制作
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